「あーじゅりー」とアメリカ英語で発音する、オードリー・ヘップバーンが出てきたところでもうひとつのおなはし。
ヘボン式ローマ字
日本人が英語表記をするときにローマ字を使いますが、その種類の一つにヘボン式ローマ字があります。
さ sa | し shi | す su | せ se | そ so |
た ta | ち chi | つ tsu | て te | と to |
は ha | ひ hi | ふ fu | へ he | ほ ho |
抜粋すると、上の表のように
し shi
ち chi
つ tsu
ふ fu
などが異なる表記です。
また b, m, p の前の n はその発音時の唇の動きから、 n → m に変化します。
なんば → Namba 難波(大阪)
さんま → Samma
さんぽ → Sampo
などがその特徴で、ヘボン式ローマ字はアルファベットで日本語を認識する外国人には日本語の音に近い表記法とされ、パスポートでの表記はこのヘボン式ローマ字にならっています。
ヘボンって誰?
ヘボン式というくらいなのでヘボン氏が考案したようなのですが、
ヘボン式ローマ字 考案者
ジェームス・カーティス・ヘボン(James Curtis Hepburn)
ヘボンさんです。Hepburn さん。
あれ? オードリー・ヘップバーンの Hepburnと同じではないですか?
同じなんです。つづりが。そして発音も。
Hepburn 氏はみずからを「へぼん」と呼んだのです。
偉大なる功績
日本語をどう表記したら正確に発音できるか、の観点でヘボン式ローマ字を考案したヘボン氏。
ヘボン氏が自分のことを「ヘップバーン」と日本語には落とし込まないですよね。
だってつうじないんだもん!
「ぷ」なんて入れて発音した「ヘッぷバーン」は音節の数からも誰にも通じない名前になります。
圧倒的に「ヘボン」が通じます。
感覚的には「へ.ぶーん」くらいかな。『.』で息を止める感じで。
さすがのヘボンさん、ヘボン式ローマ字を考案し、その名と功績を日本に残しました。外務省が今でも採用する、パスポートで使用する標準の表記なんですから。
Hepburn → ヘボン
日本人が発音して、自分もその他の外国人も自分の名前を認識できる表記法。ここに「通じる英語発音法」のヒントを込めたのではないでしょうか。
ヘボン 「日本人よ、私のことは『ヘボン』と呼んでね。そうしたら私は自分が呼ばれているってわかるよ」
そう思っていたに違いありません。
日本の言葉をアルファベット世界の人が理解できる表記法に心を砕いていた。逆に言うと日本人が外国語を話すときの表記も、原音に忠実、とまではいかなくても、原音に近い日本語表記にした。
その結果、みずからを「ヘボン」と名乗ったのは自然なことだったのでしょう。
カタカナ英語も有用
「オードリー・ヘップバーン」はスペルから音をもれなく日本語に入れ込んだ表記だと思われます。外国人には通じないけど、日本語のリズムに落とし込むのにはそれなりにいい表記だと思います。
「まくどーなぅ」という名前ではこんなに日本で増えなかったかもしれません。より正確には「まcどーなぅd」でしょうか?
「マクドナルド」だったからこそ、日本で日本語の世界に落とし込まれて定着し、実際に日本のお店として定着したのでしょう。
逆に考えれば、日本で日本語だけで生活している私たちからすると、この日本の中だけで通じるカタカナ語は外国人には通じない、ということを改めて自覚しないといけないですね。
英語学習で自分の発音が通じないときに、まずはカタカナ英語に引きずり込まれていることを自覚し、そこから完全に脱却する必要があります。
「ヘップバーン」じゃなくって「ヘボン」
「マクドナルド」じゃなくって「まくどーなぅ」
そうは言っても私のつたない発音では「なかなか通じない単語」ってたくさんあります。なんとか通じる英語でなんとか使えるのが今の私の英語レベル「中の上」です。
はやく英語上級者になりたい「かてにん」です。
かてにん
Fingers crossed!