はじめに
革靴が大好きな「かてにん」です。革靴の手入れをすればするほど、革靴も手入れそのものも、ますます好きになりますよ。
今回は「就活を始めるぞ」とか「仕事始めたけどいい靴はないの?」といった方へ、これを買っておけば間違いない、という革靴のカタチ3種類を紹介します。
革靴は
- 「慣れない」
- 「履きにくい」
- 「足が痛い」
- 「手入れが面倒」
という評価を受けていることが多いですね。
でも履き慣れると、「革靴マニア」がたくさんいるくらい深い世界で、いいものなんです。
なんといっても
- 「長持ちする」
- 「愛着が湧く」
- 「慣れてしまえば、じつは履きやすい」
- 「手入れ自体が趣味みたい」・・・人によります
長持ちといえば、一旦買えば10年や20年は普通にそばにいますし、 多くの革靴ではソール全体の交換なども可能です。
手入れも難しく考えずに基本通りやれば、気持ちがいいくらいきれいになります。
スニーカーなど使い捨ての多い世の中で、耐久性の高い「いい革靴」を履く、というのはなんとも古き良き時代を偲(しの)びつつも、最新のエコな感じもする、いい気分になれます。
でもはじめの1足って、意外と難しいんですよね。先に述べた「いまいち」なところばかり気になって、好きになる前に「仕方がなく」履くようになってしまいます。
そこで以前私がレビューした、お気に入りのアシックス ランウォークの登場です。
みなさんご存知のスポーツシューズメーカー、アシックスが開発した革靴です。
スニーカーのように履きやすいのに、ビジネスでバッチリ使える革靴。
長時間歩いても疲れ知らずで、雨にも強く(←ゴアテックスを選べば)、長持ちします。
欠点ないじゃないですか。私は愛用していますよ。ヘビーローテで履き倒しています。
気に入ったとっておきの革靴も持っていますが、普段履きはランウォーク!
雨が振りそうな日はもちろんランウォーク!飲み会ある日もランウォーク!
履きつぶしたら新たにランウォーク!
それくらい気に入っています。
お値段控えめでさっと買いたい方は下の記事へ
革靴はじめの1足
私の経験でいうと、はじめの1足はある程度大切です。
はじめの1足は革靴の知識があまりないまま購入することが多いですよね。好きな色、好きな形、靴屋に勧められた、など何気なく購入してしまいます。
もちろん問題ないです。普通に働いてくれる1足なはずです。その靴単体では。
ただ、次に2足目を買うときに、その1足目が足かせになってしまうんですよ。
- 買い足すつもりなのに、また同じ形になってしまう。
- いろいろ買ったのに、ちゃんとした革靴は持っていない。
- 高級靴を買いたいのに、ハズシの靴でいいの?
革靴は長持ちする分、自分の人生の局面で長期にわたって付き合っていくことになります。
安い革靴を買って使い捨てる、という選択肢もありますが、せっかくなら革靴特有の良さを味わえる人間になりたい。
そうお考えなら、このサイトはお役に立てそうです。
就活・新人におすすめの革靴3種
前置きが長くなりましたが、下の3種類から選べば大丈夫です。
「内羽根」と「外羽根」
足の甲の革と連続した面に靴ひもを通す穴がある「内羽根」式と、足の甲の革とは別に靴ひもと通す部分(羽根)が外についている「外羽根」式とがあります。
「内羽根」がフォーマルで、室内でのフォーマルな場面での使用に適しています。
「外羽根」は「内羽根」よりカジュアル寄りです。軍隊の革靴はこっちですね。
内羽根はすっきり美しくみえますが、靴ひもで締め具合を調整する幅は少ないです。
外羽根は靴ひもで履き具合を調整するのに、より優れています。
内羽根か外羽根かは用途によって使い分けるのですが、実際の今の日本のビジネスシーンで、一方がダメ、という世の中ではなくなっています。
おおざっぱにはどっちでもいいです! 好きな方で良いと思うのですが、革靴の世界での標準というものがあるので、購入するのは以下の3種類から選べば、間違いないです。
知っておくことは大切です。縛られないのも大切です。
色は黒一択と思っておいてください。茶色はあくまで「くずし」 カジュアルです。はじめの1足に買う色ではありません。
まず絶対に外せない間違いのない1足を選ぶ、というのであれば、
1. 内羽根ストレートチップ
にしましょう。
いつでもどこでもどんなときでも、履いていって大丈夫です。これが鉄板です。
冠婚葬祭をはじめ、通常のビジネスシーンでまったく問題ありません。
くずしたいときにはフォーマルすぎるかもしれませんが、フォーマルな場面で自分だけくずしちゃった方がまずいです。
はじめの1足としてこれが一番おすすめです。
アシックス ランウォークなら、鉄板のフォーマル革靴がスニーカーのような履き心地で履けるので、長距離歩いても苦になりません。
靴を脱いだり履いたりしないといけない場面に出くわしても、靴ひもを結んだまま、脱ぎ履きできます。これはかなりポイント高いです。(メーカー推奨ではないと思います)
以下の理由であえて1足目にはこの靴を選ばない、というのもありです。
その場合は下の2つのどちらかを購入するといいです。
就活や新人のうちに格式高い場面に出くわすことは少ないです。外を歩き回ったりすることのほうが多いかもしれません。
なら汎用性が広い中で、わざとカジュアル寄りを買っておくと良いです。
あえてそうする理由は
2足目に高級革靴を買うために1足目はあくまで実用靴を買う
のです。
履きつぶす外回り用の靴はあくまで履きやすく、雨の日でも構わない靴を買う。そして本格的にドレッシーな場面で使う靴として、2足目の高級革靴として鉄板の「内羽根ストレートチップ」を買う。
この考えを若いときに教えてもらいたかったです。
次にさっきよりカジュアルな、しかしビジネスで問題なく使える革靴として、
2. 外羽根プレーントゥ
美しい靴です。実用性も兼ね備えています。
靴底の形態や先端の丸みで軍用靴やカジュアル靴にもなりますが、アシックスのランウォークは程よい形状で洗練されています。
ビジネスにはもちろん、フォーマルからカジュアル用途まで守備範囲は広いです。
さらにもっとカジュアルなものとして、
3. 外羽根Uチップ
これは私がジャケパンで今使用している、この前レビューした靴です。
つま先先端から甲にかけての縫い目の形からUチップといいます。Uモカともいいます。
基本カジュアル寄りです。ビジネスでどんどん外回りで歩くなんてシーンにぴったりですね。
この靴の先端は丸いかたちなのでラウンドトゥですが、四角いスクエアトゥのもあります。
外羽根Uチップ (スクエアトゥ)
今のモデルを購入する前に約4年間履いていました。 気に入りましたよ、これは。
私がランウォーク信者になった原因の靴です。
ラウンドトゥよりもこちらのほうが実際はかなりスタイリッシュです。
靴幅は広いのに(4E)、靴の先端が実際履いている足の指先よりもずっと遠くにあり(つまり靴の全長が長い)、全体のバランスがとてもかっこいいです。
- 「内羽根ストレートチップ 」を必ず買う
- 2足目で内羽根ストレートチップを買うつもりなら、あえて「外羽根プレーントゥ」か「外羽根Uチップ」にするのもあり。
アシックスのランウォークも種類がたくさんあり、選ぶ楽しみが増えました。
革靴初心者にはかえってどれを選んだらよいのか、難しくなりました。
でもこれで簡単です。以上の3種類からどれを選んでも、はじめの1足として十分働いてくれる革靴となることでしょう。
革靴にハマったときに振り返ってみて、はじめの1足目があれでよかったな、と思うのは間違いないです。
番外編
ウィングチップ
おしゃれな装飾が施されていていますが、カジュアルです。
靴の出自を考えると、どういったってカジュアルなんですが、見た目だけで判断するといけません。
知っているか知らないか、だけの違いです。
ジャケパンはもちろん、スーツでの大半の要件は大丈夫だと思いますが、冠婚葬祭はだめです。
こういった靴は何足目かに買いましょう。まず上の靴3種類がそろったあとくらいに、遊び心で買う靴です。
遊び心で買う靴、は実用靴でいいですか?
所有欲を満たしたくありませんか?
内羽根でも外羽根でも、高級ブランドの高級靴にこのウィングチップの美しい靴が沢山あります。
黒はもちろん、茶色もいろいろ色合いがあって美しいです。
革の質感も高級靴は素晴らしいです。
その美しさに見とれて、靴の知識がないうちにこっちから買ってしまうんですよ。基本の「き」の靴がまだないうちに。
高いけど応用が効かない革靴をはじめに買ってしまいがちなんです。
スリッポン(ローファーなど)とかモンクストラップだけしか持ってないよ、という方、いらっしゃいませんか?
でも基本の靴をおさえたあとなら、買っても大丈夫!
自由な服装でいい職業の方なら何を着てもいいんでしょう。(実際には対外的なことがあるので、まわりからどう見られるか、は別問題です。ITセレブの躍進で市民権を得てきたようにも見えますが・・・)
ビジネスマンになる、なったという方! 周囲はみんなスーツです、という世界の方!
こういったタイプの革靴しか持っていない方は、ささっと「内羽根ストレートチップ」を買い足しましょう。
シューツリーについて
これは革靴が好きになると必須アイテムなんですが、そうでない人には縁のない代物です。
靴の中に入れて形態を安定させるために使います。
いい靴を買ったら、1足にひとつ購入することをおすすめします。
いろんな製品があり、お求めやすい品が増えました。
いい靴を買うとつい、高いシューツリーも買ってしまいがちです。高級靴店に置いてあるシューツリーが高級品だから。
でもあくまで脇役です。百均にもあります。
個人的には吸湿性のある木製をおすすめします。
補足
話がややこしくなるので、はじめは省略した補足事項です。
サイズ感
アシックス ランウォークのサイズは日本人に合わせて幅広タイプも作ってくれています。2E 3E 4Eを選べる種類も多いので、足のサイズにピッタリの靴が見つかるでしょう。
私は憧れの外国製高級靴を買おうとしましたが、甲高幅広の私にはぴったり来るブランドは残念ながらありませんでした。
足のサイズに合わなければ、靴だけに「くつう(苦痛)」ですからね。
私は普段スニーカーでは 26.0cm で、革靴は 25.5cm です。
アシックス ランウォークでは、私は 25.5cm がぴったりで、26.0cmだとだいぶ大きく感じました。
実際に履いてみるのがいいです。私は前回 26.0cm をネット購入し、大きいまま4年間履きました。
今回ワンサイズ落として 25.5cm を購入しましたが、ぴったりでした。
革靴のサイズに合わせて購入されるとよいのではないでしょうか?
ネット通販でもサイズ交換可能なところが増えましたよね。購入しやすくなりました。
防水機能
アシックス ランウォークでは同じ形で防水機能ありとなしが選べます。最近ではアイスウォークという滑りにくい靴底のものもあります。
通常の革靴は、靴底も革でできています。古くなったときにソール全体の交換ができます。
アシックス ランウォークはソール全体の交換はできない仕様です。ご注意ください。かかと修理は対応可能なものもあります。
防水機能ありのものではゴアテックスを使用し、雨でも靴の中まで浸水しない仕組みになっています。
これは心強いです。
雨だと革靴が傷むのでできるだけ履きたくないです。とはいっても仕事に行くのにスーツスタイルに合わせる靴はほかにないですよね。
最近ではスニーカー出勤の方も多く見られます。歩きやすいですが防水のスニーカーではないですよね、ふつう。
ところがランウォークは雨のときに積極的に履いていけます。
土砂降りの雨のときに、靴の中まで濡れない革靴、というのはありえないくらいのメリットです。
以前履いていたランウォークで、降雨後の革のダメージも気が付かない程度でした。
2足目に高級革靴を買う可能性があるなら、値段は少し高めですがゴアテックスの防水仕様の方をおすすめします。
雨の日にためらいなくランウォークの方を履いていけるので、今後のためにもいい買い物になること、間違いなしです。
雪国の方はアイスウォーク一択でしょうか。私は違いはわかりませんが、冬にスタッドレスタイヤが必須の地域ではアイスウォークなんでしょうか?
まとめ
就活や仕事を始めたばかりの新人の方には、アシックスのランウォークをおすすめします。
靴の形は「内羽根ストレートチップ」の黒、防水仕様一択です。
フォーマルすぎると思う方は「外羽根プレーントウ」「外羽根Uチップ(Uモカ)」のどちらかにするといいです。
履き心地がよくて、高耐久、防水仕様、ネットで簡単に購入できる、と利点が多いです。
ランウォークの種類が増え、選ぶのが難しいとお思いの方には、すっきりこの3種類で選ばれると間違いはないです。
革靴を好きになったら、追加のランウォークでも正統派リーガルでも、高級ブランドの高級靴でも、受け皿は大きいです。大きな世界があなたを待っています。
ランウォークの世界にとどまることも可能です。高級革靴に触れると、その良さに惚れ惚れするのも間違いないです。ビスポークという完全オーダーメイドの世界もあります。
はじめの一歩、はじめの一足。
革靴選びの考え方の基本をお伝えしました。参考になれば幸いです。
これからの革靴ライフをお楽しみください。
かてにん
Fingers crossed!